ご挨拶

高齢化社会を向かえ、介護や医療費を要する脳卒中診療の重要性が再認識され、平成30年度からの第7次医療計画においても、脳卒中による死亡率の低下、要介護患者の減少のためにt-PA静注療法や脳血管内治療などの施行の適正化、均てん化を目指した医療連携体制の整備が求められています。また、脳卒中と同様の危険因子を有する心血管病の重要性も指摘されています。滋賀県でも、平成24~25年度の地域医療再生計画(三次医療圏)として「脳卒中診療連携体制整備事業」が開始され、平成28年からは脳卒中対策推進事業として、

  • 1)滋賀脳卒中データセンター設置により、滋賀県の脳卒中に関する医療データを収集・解析し、
  • 2)医療者向け研修会や県民に向けた啓発活動を行い、
  • 3)新たな医療施策を提言するための基盤整備を行っております。

脳卒中を含む循環器病対策基本法が施行され、現在、循環器内科、心臓血管外科の先生方のご協力のもと、心血管病についてもデータ集積を開始しており、さらに活動を拡大して参ります。県民の皆様の御協力を宜しく御願い申し上げます。

滋賀医科大学 
脳神経外科学講座教授

野崎 和彦