滋賀医科大学 脳神経外科学講座

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脊髄腫瘍

脊髄の中に発生する髄内腫瘍と脊髄の外に発生して脊髄を圧迫する髄外腫瘍に分かれます。発生する頻度は1年間で10万人あたり1~2人で、脳腫瘍の1/5~1/10程度と比較的珍しい病気です。症状は発生する部位によりますが、両手のしびれや両足の運動障害、排便排尿の障害などで発症することが多いです。

髄内腫瘍

上衣腫・星細胞腫の頻度が高いです。
上衣腫は脊髄内の髄液の通路の壁の細胞から発生する腫瘍で多くの場合手術的に全摘出が可能です。
星細胞腫は神経組織そのものから発生する腫瘍で、手術で全摘出困難な場合が多く、残存腫瘍に対しては放射線療法などを行います。

髄外腫瘍

神経根の表面にある細胞から生じる神経鞘腫と脊髄周囲の硬膜から生じる髄膜腫の頻度が高いです。どちらも手術にて摘出が可能です。

脊髄腫瘍による症状は、たとえ手術で腫瘍が全て摘出できてもたちどころに治るものではないことがほとんどです。これは脊髄が脳と同じく中枢神経として再生しないことに起因します。このためこのような疾患の手術後には、リハビリテーションが必要になります。