滋賀医科大学 脳神経外科学講座

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脳動脈瘤

脳動脈瘤には二つの発見のされ方があります。一つは破裂脳動脈瘤してくも膜下出血で病院に搬送される場合で、もう一つは脳ドッグや他の疾患のスクリーニング検査で未破裂脳動脈瘤として発見される場合です。

1)破裂脳動脈瘤について

くも膜下出血の場合は破裂してから72時間以内に再破裂予防が望ましいとされており、くも膜下出血と判断されれば速やかに降圧・鎮静・挿管管理とし、破裂原因を調べる検査を行います。

その後、出血原因が脳動脈瘤破裂と診断され、部位が特定できれば、開頭クリッピング術あるいは脳動脈瘤コイル塞栓術を行います。くも膜下出血発症2週間は脳血管攣縮と呼ばれる脳梗塞となりうる合併症が起こり得るために、厳重に脳卒中専門のSCU(Stroke Care Unit)で入院管理を行なっております。

また、くも膜下出血は1/3が死亡、1/3がmodified Rankin Scale 3-5となることが知られており、早期リハビリテーションが有効であるため、当科では積極的に治療からリハビリテーションへの導入を行なっております。

2)未破裂脳動脈瘤について

未破裂脳動脈瘤は発見されたからといって、すぐに手術を勧めるわけではありません。発生部位や家族歴・高血圧の有無などを総合的に判断し、治療計画を立案いたします。

日本人6697個の未破裂脳動脈瘤を集めた研究では、そのうち111名がくも膜下出血となり年間破裂率は0.95%となっております。しかしながら部位や形状で破裂率には差があるために、見つかった際のMRIやCTを総合的に判断し、一定期間あけた画像経過観察や治療介入を前提とした画像検査を行うかを外来でご相談させていただきながら治療を進めていきます。

治療には上記破裂脳動脈瘤と同様に開頭クリッピング術あるいは脳動脈瘤コイル塞栓術がありますが、破裂脳動脈瘤では残念ながら本邦で保険適応となっていない、フローダイバーターバータ留置術も大きさや部位に制限がありますが施行可能です。

また手術後には定期的な画像経過観察を重ね、再発がないかを丁寧にフォローさせていただいております。

3)動脈瘤の治療は大きく下記の3通りあります.

①開頭手術:動脈瘤頚部クリッピング術

最左 クリッピング前の動脈瘤
中央 クリッピング直後の写真
最右 蛍光色素造影で動脈瘤内に血流がないことが確認されています

②脳血管内手術:脳動脈瘤コイル塞栓術

左上 コイル前の3D撮影(白矢印が動脈瘤)
左下 コイル前の実際の造影写真
右上 コイル塞栓完了時の写真
右下 コイル塞栓完了時の造影写真で左下で描出されていた動脈瘤がなくなっていることがわかります

②脳血管内手術:フローダイバーター留置術

最左 留置前の3D撮影 (白矢印が動脈)
中央 フローダイバーター留置完了したところの写真 (ステントの網目が確認されます)
最右 留置半年後の3D撮影 (赤矢印が動脈があったところ)で動脈瘤が消失しています